一般社団法人日本老年泌尿器科学会

理事長挨拶

理事長

このたび、一般社団法人日本老年泌尿器科学会理事長を拝命いたしました東京大学泌尿器科の久米春喜です。歴史ある学会の重責を担うことになり、身の引き締まる思いです。この分野の学術的発展を推し進め、優れた社会貢献ができるように、微力ではございますが、精一杯務めさせていただきたいと思います。

本学会は1989年に当時東京大学教授であられた阿曽佳郎先生により設立されました。設立以来、高齢者や障害を持つ方々の泌尿器科的問題について、医師、看護師、理学療法士といった多職種で取り組んでまいりました。学会員の構成も医師、看護師が半数ずつを占めているという、ユニークな学会です。当初は排尿、排便の管理などを中心とした問題が多かったのですが、最近は悪性腫瘍の問題にも注力するようになっております。

日本が超高齢化社会になってから20年近くが経ちました。人口の高齢化はまだまだ続くということですが、加えて生産年齢人口の減少も起きることが予想されています。日本社会の構造変化はなお続くことになります。本学会はこのような社会の動向にも対応してゆかなくてはなりません。例えば介護の問題です。単身独居者が増え続け、家族の支援が受けられない、自宅での介護が受けられない高齢者がますます増えてゆくと考えられています。在宅介護が難しくなってゆくことから、地域社会全体で高齢を支えることを意図した地域包括ケアシステムが提唱されています。

また認知症の問題も避けて通れません。厚生労働省によれば、2060年の軽度認知症高齢者数は632万人、認知症者高齢者数は645万人と推計されています。すなわち高齢者の約3人に1人が軽度認知症もしくは認知症ということになります。その他にも超高齢化社会での問題点は数多く指摘されています。

本学会には、これら多くの社会問題について総合的、包括的に取り組んでゆくことが求められています。泌尿器科疾患の診療や看護、介護に携わっている我々にできることは何なのか、みなで考えてゆくということです。多くの高齢者、障害を持つ方々の役に立てるよう、活動を展開し、社会貢献してゆきたいと思います。

会員の皆様、よりよい超高齢化社会の実現のために、みんなで一肌脱ぎませんか!

一般社団法人日本老年泌尿器科学会 理事長
久米 春喜
東京大学医学部泌尿器科学教室 教授

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